エルザ スキャパレリ

1890年 イタリア・ローマ生まれ。
王立図書館長も務める東洋語学者の父と貴族出身の母という裕福な家庭で育つ。
この環境下で多くの文化、芸術に触れる。
1914年 結婚。その後ニューヨークへ。
二人はすぐに離婚するが、アメリカの自由な雰囲気や女性の地位は当時の保守的なヨーロッパにはないもので、この時の経験はスキャパレリの後のファッションに大きく影響したと言われている。
その後、パリへ移住。
ファッションバイヤーなどで生計を立てている時に、ポール・ポワレに見出されデザイナーに転身。
1930年 自身の名前を冠したブテッィクをオープンする。

縫製経験のないスキャパレリでしたが、今までに培われたセンスを活かして、当時の服飾業界では考えられないアイデアを次々と連発します。
一見いきあたりばったりに見えるほど思いついたアイデアを次々と形にし、それが瞬く間にヒット商品になったようです。
トロンプイユ・ニット、大胆で独創的な刺繍、「ショッキングピンク」に代表されるような華やかな色使い、昆虫などをモチーフにしたジュエリーetc 類い稀なる突き抜けたセンス。
またコクトーやダリとコラボレーションした衣装は、当時の先端であるシューレアリズムを取り入れたまさに芸術作品です。
エキセントリックでありながら繊細で、大胆かつエレガント、シュールでロマンチックな彼女のファッションは、ヨーロッパのみならずアメリカでも絶大なる人気があったそうです。

そんなスキャパレリと比較されるのは同時代のアイコンであるココ・シャネル。
今でこそスキャパレリを知らない人はいてもシャネルを知らない人は一人もいないのではと思うほど世界中で大人気の「シャネル」ですが、当時はシックなシャネルファッションより華やかなスキャパレリの方が人気は高く、ココ・シャネルが一方的にライバル視し嫉妬していたと言われています。
このエピソードでもスキャパレリの偉大さを窺い知ることができます。